社会福祉法人 なゆた

「纏う」

書と優しい紙刺繍の世界

NAYUTA MUSUHI × HANASAKU SHODO

2023年10月14日(土)15日(日)展覧会開催予定!inなゆたカフェ

 

【社会福祉法人なゆた 統括施設長 佐藤貴士】

あの晴れやかな日の展覧会からもうすぐ1年が経ちます。

私の仲間たちにとっては、本当に夢のような二日間でした。

お越しいただいたお一人お一人の心温かさが、どれほど励みになったことでしょうか。

またその後も「纏う」を応援してくださったことがどれほどの支えになったことでしょうか。

彼らがその後の1年間もよりいきいきと、奏でるように纏い続けていた日々が全てを物語っていました。

 

言葉が無くとも心を紡ぐ、以心伝心を積み重ねて作られた作品たちは、不思議と込み上げてくるなにかがあります。

十人十色の作風を眺めながら、一期一会の大切さを身に染みて感じさせてくれる。

人から人へ愛を送り、絆を深める。

「纏う」の素晴らしさは、そこにあるように思えます。

 

そのことを紗戀さんと彼らはよく知っていたからこそ、こんなにも一笑賢明に続けてこれたのではないでしょうか。

今となり改めて、当初あの頃を思い出してみると、本当にはじまりは些細なもので、

きっかけを大切に根気をもって続けることがいかに尊いことか、「纏う」が気づかせてくれました。

「ここから先、数年後も「纏う」が小さな奇跡を起こしているよ。」と

未来の彼らがほほえんで言ってくれているように、今の私には鮮明に思い浮かぶのです。

 

誠実に届く、感謝と笑顔

 

【一般社団法人花咲く書道協会 代表理事 永田紗戀】

 

「サレンさん、ここの模様はちょっと、難しいみたいです」

申し訳なさそうに、何度も言われました。

「はい!では、直しますから大丈夫、心配しないでください」

そんな言葉を、何度も、何度も交わしたのは、愛のしるし。

 

私は何も、わかっていなかった。

利用者さんだけじゃないのだ。

利用者さんを支える、支援者の人たちの気持ちがある。

 

「大きな原画は怖いです、破ってしまうかもしれない」

「破ってもいいですよ、また書くから」

何度言っても、それは申し訳ないという。

 

本当の気持ちなんて本人にしかわからない、でも

作品を破るのは、想ったとおりにならなかったからかも、しれない。

その中で破らない作品ができたら、よっぽど嬉しいでしょう。

 

だったら、と。

そうして、私は自分の作品を切ることにした。

小さくしたならできるでしょう?と思った。

それが2022年の原画たち。小さく切った原画をみんなが纏った。

なんて愛おしいのだろうと思った。

こんな作品、みたことない。私は幸せだった。

 

展覧会が終わり、いつ何時も、みんなに会いたくなっていた。

時間があれば、自転車に乗り込み、少しでも顔を見に行き

何気ない様子を聞いては、黙ってみていて

なんとなく肌でわかってきた、私はまだ何もわかっていなかった。

 

私は間違っていた、私はきっと、もっと

待たなければならないと思った。

 

心の中であれこれやりたいことが溢れてしまうが

じっと静かに、様子を見守ることにしていた。

 

その中でそろそろいいかなと思う時が来た。

「今年は・・・こんな大きな作品、できますかね?」

 

真剣な目で支援者の方は言った。

「できます」

 

________ 誰しも何かしらの才能がある。

無意識に、その人の才能に触れる時、涙が出るほど嬉しくなります。

その才能に気付かずに、無意識で作品を作る、その後ろ姿はとても尊いものです。

彼らの才能に纏われた私の作品たちは、たくさんの愛の中でつくられました。

どうぞこのあたたかな世界の中で、心を一緒に纏いましょう。

いつもは作業をしている場所が、秋のギャラリーへと、今年も魔法がかかります。

スタッフ一同、お待ちしております!

 

 

 

 

 

 

2023年7月29日(土)30(日)「纏う」in 関西!ひづきの森ギャラリーご来場ありがとうございました!

 


社会福祉法人 なゆた

~書と優しい紙刺繍の世界がはじまる~
浦安市で互いに活動し、長い時間を紡いだ中で
私たちがたどり着いた新しい世界をここに発表します
永田紗戀が描く花咲く書道に
なゆた「MUSUHI」の仲間たちが
好きな色で自由に糸を纏った一点ものの作品たち
記念すべき始めての展覧会
あなたの心と重なる作品がありますように・・・

想い

社会福祉法人 なゆた

【社会福祉法人なゆた 統括施設長 佐藤貴士】

令和二年春、全世界が混乱期に入ったあの時期のことを忘れられません。
それは障がい福祉に携わる私たちにとっても大きな出来事であり、あらゆる障壁にもなりました。
いったいこれから私たちの仲間はどうなってしまうのだろうかと、とにかく不安が絶えませんでした。
それまで築いた社会との関わりが途絶えてしまうことも多くありました。この社会状況で彼らをどう支えるべきかを手探りに試行錯誤したものです。

日頃から私たちが様々な障がい支援を行うなかで大切にしていることのひとつが、彼らが働くことについてです。
それが彼らの生きがいとなっているからです。この働く機会も極端に制限されてしまったあの時期に、いかにして生きがいを創り出し守り抜くか。という大きな課題がありました。

当初は作業活動が制限され、途方に暮れていたところ、不安ばかりが増す中で、彼らは自分の力で出来ることをただ寡黙に続けました。
手元にある余ったすき紙と縫い糸で、とにかくまずは縫い始めました。初めは針と糸を通すことさえやっとの思いでしたがとことん諦めずにやり続け、正直これがなんのためになるのだろうか、と気の遠くなるような日々でした。
それでも彼らは笑顔を絶やさずに、ただただ前を見て実直に縫い続けていました。

その作品ひとつひとつを作るのにどれほどの時間がかかったでしょうか。作品が出来上がるたびに込み上げてくるなにかを感じました。あるときそれはとても神秘的な感覚で不思議な力を確かに感じさせるものでした。紙刺繍を手に取っては彼らが、新しい価値を生み出したのだと深く確信したものです。それを機にこの活動を「むすひ」と命名することにいたしました。

はじめて数カ月が経った頃、作品は徐々にメッセージカードなどの商品化を進めました。
試作品ではありましたが、彼らが長い時間をかけ、やっとの思いで仕上げた作品に確かな価値を感じてくださる方も少なからずいてくださいました。

そんな中、私たちの長きにわたる恩師である紗戀さんがコロナ禍初頭のあの時期にも関わらず、彼らのためにお越しくださったときのことでした。私は「むすひ」の紙刺繍作品を紗戀さんにも必ず見せなくては、という使命感に掻き立てられ、お目通しいただいたときのことです。その時に紗戀さんの目の色が変わったことを今でもよく覚えています。すべてを悟ってくださったのだと、すぐに気づきました。おそらく紗戀さんが「むすひ」の本質的価値を理解してくださった第一人者であると思います。

それからというもの、2年以上にわたり何度もお会いするたびに企画を熱心に立案してくださり、多くのご指導をいただきました。このなゆたカフェで思いのまま愚直に紙刺繍を全うする彼らと、紗戀さんの真剣の熱意が調和した夢のような月日がゆっくりと流れていきました。
これらは花咲く書道協会アシスタントの方々となゆたスタッフたちが陰で誠実に支え続けてくれたことがなによりの力となり、ここまでの形にできた証です。

長く永く時間をかけ、紙と糸に誠実な智慧が合わさり、書を纏う。
これほどまでに心を豊かにする物ができました。そしてこれから文化として大切にされることでしょう。
手にとってくださった方すべての心が幸せに恵まれますように。


~誠実に届く、感謝と笑顔~


あとがき
二年前のあの頃、苦痛なまでの緊張と不安を抱えていた仲間たちに、二年後の私から伝えてあげたい。
「大丈夫だよ、未来は明るい」

社会福祉法人 なゆた

【一般社団法人花咲く書道協会 代表理事 永田紗戀】

例えるならばそれは、太陽の光を浴びながらきらめく静かなせせらぎのような水の流れに似ています。
穏やかに、でもしっかりと。2014 年から「なゆた」という唯一無二の優しい場所にずっと通わせていただいてきました。

季節が巡る流れに合わせるようにゆっくりと。年月を重ねるごとに、彼らのタイミングに合わせるコツを探りながら。

見本通りに描く方、自分の描きたいものを描く方、ただ私の筆をじっと見つめる方。変わらないことを続けながら、少しずつ変化を試していました。
それは私が手がけている、花咲く書道の歩みとどこか重なり…大切に丁寧に、ゆっくりと成長していったように思えます。どの方の作品も、存在も、ただただ、私は丸ごと愛おしく思う中で、現場にいるスタッフの方たちの一人ひとりに合わせた適切な対応に、私は一人の母としても、子を想う気持ちを重ね胸がいっぱいになっていました。いつからか、頼もしい弟子たちにもこの感動をと・・・大人数でなゆたさんに通うようになっていました。皆で彼らの作品や表現に魅了されて語り合う時間は幸せそのものでした。

しかしながら社会が一変した未曾有の事態が起きました、それは桜が咲く季節でした。花咲く書道も全ての業務が止まり、今まであたりまえに続いていたことが夢だったかのように静かになりました。講師としての未来に言いようもない不安を感じていました。予定されていたワークショップ、私は一人で行こうと決めました。マスクで彼らに会う。私の笑顔は伝わるのか?言葉は聞き取れるのか?不安で胸が締め付けられる思いでしたが、私はこの混乱した中だからこそ余計に、描くことに集中する時間を彼らに、そしてスタッフの方達に・・・と更に力強い思いで一人で用意したアトリエの時間を、昨日のように思い出します。

帰りがけ、統括施設長の佐藤さんとゆっくり話す時間がありました。いつもは忙しく帰宅していたのですが、それはこの未曾有の事態がくれたギフトだったのかもしれません。お互いに話すことは山ほどあったのだと思います。
そんなお話の中で「見て欲しくて」と言われた日がありました。いつも冷静な佐藤さんの、今までにない強い何かを感じました。新たにはじめたという「紙刺繍」を見せていただきました。それを見た瞬間の衝撃は、もう言葉には表せないものでした。

「これは彼らが縫ったのですか?」
「はい、やっとここまで形になったんです」

見たことのないような細やかな色とりどりの刺繍。
彼らが紙を纏う糸の色の選び方は、想像を絶するほど神秘的でした。
「 MUSUHI」と名付けた彼らの世界。ここまで仕上がるのに、どれだけの時間がかかっただろうか…どれだけの試行錯誤を繰り返したのだろうか…一瞬でその想像が脳内に広がりました。それらが、ポチ袋やグリーティングカードになっている・・・でもこれは・・・作品。芸術作品。額に入れた作品にしなければ・・・

心より身体が先に動くとはこのことで「私の作品を纏ってほしい・・」と、無謀なお願いをしていました!

穏やかなせせらぎのような、そんな水の流れのようにずっと一緒にゆっくりと歩んできたこの長い年月、ここに通ってきた意味はこれだったんだ!と、さえ思ったほどです。私が筆で描いてきた花たちは、文字で伝えきれない想いを表現したもの・・・そこが、彼らの芸術と一緒に仕上がったなら・・・

帰宅してからすぐに企画書を作りました。私の作家人生では初めてのことでした。突き動かされるように、今やらなければ、毎日のようにアシスタントたちにも興奮してありとあらゆる構想を話し続けたと思います。そして、密かにこの大きなプロジェクトが始まりました。

彼らに纏ってほしい言葉を厳選し、デザインを作成しました。毎月のように、作業風景を見学しにいき、これは難しい、これはできる、スタッフの方たちともそういうやりとりを重ね・・・互いに、日々、改良に改良を重ねていきました。
スタッフの方たちの想像をこえる努力は、毎回、行けばすぐにわかりました。個々に合わせた色々なアイテムがどんどん増え、より作業しやすいようになっていくのです。適度な休憩、達成感を味わえるような工夫。色々なことを見るたびに、1枚仕上がった作品に隠された長い大きな優しい時間を感じずにはいられないのです。

私が近くに行って、様子を見ていると「楽しいよ」と笑ってくれる方、マイルールの中で、世界を広げている方。納得いかなくて、破り捨ててしまう方も。色々な風景がそこにあり、それをみんなで見守っていたように感じます。

こんな温かな風景の中で、仕上がってきた作品たちは持つ人の心を永遠にあたたかく纏うことを、確信しています。

彼らの「纏う」が浦安市の方はじめ、たくさんの人に知っていただけるように私ができることは全て尽くしさらにこの世界を彼らと共に追求していくことを、ここに誓います。


追伸
私の「やる!」の勢いを力強く支えてくれたアシスタントたちに心から感謝を。
まだまだ「やりたい!」ことがあるので、よろしくね!

開催概要

会期 2023 年 10 月 14 日(土)13:00~17:00
              10 月 15 日(日)11:00~17:00 
会場 なゆたカフェ
住所 千葉県浦安市堀江 6 丁目 4 番 36 号
アクセス 地下鉄東西線「浦安駅」
JR 京葉線「舞浜駅」より
ベイシティバス 9 番系統「堀江 6 丁目」下車徒歩 1 分
問合せ先 047‐351‐7720
社会福祉法人 なゆた

制作風景

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